SDGs

Written by TOE

「SDGsって何?」から始める!完全入門ガイド

「SDGs」は近年、多くのメディアや企業で取り上げられています。でも、具体的には何なのでしょうか?

この記事ではSDGsの基本的な概念や、私たちの生活にどのように影響しているのかを初心者向けに解説します。

SDGsの起源: なぜ生まれたのか?

SDGs(持続可能な開発目標)は、今日、多くの国や組織、企業が取り組んでいる17の目標です。
しかし、なぜこれが生まれたのでしょうか。SDGsの背景や起源を詳しく探っていきます。

2000年: ミレニアム開発目標

SDGsの原点として、2000年に採択された「ミレニアム開発目標(MDGs)」を振り返る必要があります。
MDGsは、2000年から2015年までの期間における国際的な取り組みを8つの目標として掲げていました。
これには、極度の貧困と飢餓の撲滅や初等教育の普及、ジェンダー平等の実現などが含まれていました。
MDGsの取り組みは、多くの国で一定の成果を上げましたが、課題も多く残りました。

MDGsの課題

MDGsは多くの成功を収めたものの、いくつかの大きな課題が浮き彫りになりました。
それは、取り組みが一部の途上国に限定されていたこと、環境問題や持続可能性に関する具体的な目標が不足していたことなどです。
また、各国の特定の文化や価値観を無視した「トップダウン」的なアプローチも指摘されました。

2015年: SDGsの誕生

2015年、MDGsの後継としてSDGsが国際的に採択されました。この持続可能な開発目標は、経済的、社会的、環境的側面の3つの柱をバランスよく考慮しながら、全ての国が参加する形での取り組みを強調しています。
SDGsは17の目標と169のターゲットからなり、更に幅広い分野に及ぶ内容となっています。
これには、水と衛生、エネルギー、都市と共生、気候変動という、MDGsには盛り込まれていなかったテーマも含まれています。

17の目標: それぞれの目的とは?

SDGs(持続可能な開発目標)は、持続可能な未来を築くための17の目標から構成されています。
それぞれの目標とその目的を以下で解説します。

1. 貧困をなくそう

目的: すべての人々の生活の質を向上させ、極端な貧困を終わらせること。

2. 飢餓をゼロに

目的: 食糧の確保と栄養の向上、そして持続可能な農業を促進すること。

3. すべての人に健康と福祉を

目的: あらゆる年齢の人々の健康を保障し、福祉を向上させること。

4. 質の高い教育をみんなに

目的: 全ての人々に包括的かつ質の高い教育の機会を提供すること。

5. ジェンダー平等を実現しよう

目的: すべての女性と女の子に平等な権利を保障し、ジェンダーに関連するすべての形態の差別を排除すること。

6. 安全な水とトイレをみんなに

目的: 水と衛生の管理を改善し、すべての人に安全で手頃な水と衛生設備を提供すること。

7. 安全で清潔なエネルギーをみんなに

目的: すべての人々に手頃で信頼性のある持続可能なエネルギーを提供すること。

8. 働きがいも経済成長も

目的: 持続可能な経済成長を促進し、全ての人々に十分な雇用と働く価値を提供すること。

9. 産業と技術革新の基盤をつくろう

目的: 耐久性のあるインフラを構築し、包括的で持続可能な産業化を実現し、技術革新を奨励すること。

10. 人や国の不平等をなくそう

目的: 国内外の不平等を削減し、社会経済的な分野での差別を無くすこと。

11. まちづくりを、そして人をつなぐ

目的: 安全で持続可能な都市と人間の居住地を確保すること。

12. つくる責任、つかう責任

目的: 持続可能な消費と生産の形態を確保すること。

13. 気候変動に具体的な対策を

目的: 気候変動とその影響に対応するための緊急の行動をとること。

14. 海の豊かさを守ろう

目的: 海と海洋の資源を持続可能な方法で使用し、管理すること。

15. 陸の豊かさも守ろう

目的: 陸域の生態系を保護・回復し、生物多様性の損失を防ぐこと。

16. 平和と公正をすべての人々に

目的: 平和で包括的な社会を実現し、すべての人々に公正な司法アクセスを提供し、効果的な、説明責任のある包摘的な制度を確立すること。

17. パートナーシップで目標を達成しよう

目的: 持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバルなパートナーシップを活性化すること。

これらの目標は、経済、社会、環境の三つの側面を網羅しており、全人類が直面する課題を解決するための共通のフレームワークとして提案されています。

日本での取り組み: 企業や地域がどう動いているか?

SDGs(持続可能な開発目標)は、全世界的な課題への取り組みとして注目されていますが、日本国内でも企業や地域がさまざまなアクションを起こしています。
日本におけるSDGsへの取り組みについて、一部を紹介します。

企業の取り組み

ESG投資の増加:

日本の企業は、ESG(環境、社会、ガバナンス)を基準とした投資が増える中、自社のSDGsへの取り組みを明示し、ステークホルダーに対してコミュニケーションを強化しています。

製品・サービスの開発:

多くの企業がSDGsにリンクした商品やサービスを開発・提供。例えば、持続可能な素材を使用した商品や、省エネルギーの家電製品、再生可能エネルギーの推進などが挙げられます。

従業員教育:

SDGsの重要性を理解し、ビジネスに取り入れるために、企業内での研修や勉強会が実施されています。

地域の取り組み

地域づくりの方針:

地方自治体は、SDGsを地域づくりの方針に取り入れ、住民とともに具体的な取り組みを進めています。例えば、地域の資源を活用した再生可能エネルギーの導入や、地域の特色を活かした観光資源の開発など。

市民参加のプロジェクト:

地域住民が中心となり、持続可能な活動やイベントを企画・実施。たとえば、ゴミ拾いやリサイクル活動、地域資源を活用した商品の開発や販売など。

教育機関との連携:

地域の学校や大学と連携し、SDGsをテーマにした研究やプロジェクトが行われています。子供たちへの教育を通じて、次世代にSDGsの理念を継承していく動きも見られます。

NPO/NGOの活動

多くのNPOやNGOが、SDGsの目標達成を目指して活動しています。特に、地域社会の課題に焦点を当てた取り組みや、企業との連携を通じたプロジェクトが増えています。

コンシューマーの関与

消費者もまた、SDGsに関心を持ち、持続可能な商品やサービスを選択する動きが見られます。これに応じて、企業も持続可能な商品開発や情報発信を強化しているのが現状です。

私たちの日常でできること: SDGsを支える小さな行動

SDGs(持続可能な開発目標)は、大きな目標として設定されていますが、実際のところ、私たち一人一人の日常の小さな行動が集まることで、大きな変化がもたらされます。
日常生活の中でできるSDGsを支える具体的な行動を紹介します。

エコバッグの利用

目標12 つくる責任、つかう責任: プラスチックの使用量を削減するため、ショッピング時にはエコバッグを持参しましょう。

地元の農産物を選ぶ

目標2 飢餓をゼロに: 地元の農産物を選ぶことで、地域経済を支え、環境への負荷も低減します。

省エネ活動

目標7 安全で清潔なエネルギーをみんなに: 電気の使用を意識して節約し、必要ないときは電気を切るなどの習慣を持つことが大切です。

ウォーターサーバーや浄水器の利用

目標6 安全な水とトイレをみんなに: ペットボトルの水の代わりに、ウォーターサーバーや浄水器を活用することで、プラスチックの消費を減らすことができます。

公共交通機関の利用

目標13 気候変動に具体的な対策を: 車を使うよりも、バスや電車を利用することで、CO2排出量を削減できます。

古着やリサイクル商品の利用

目標12 つくる責任、つかう責任: サステナブルな消費を促進するために、新しいものを買うより、既存のものを再利用することが推奨されます。

オンライン学習やセミナーへの参加

目標4 質の高い教育をみんなに: 知識を深めることで、SDGsに関する理解を深め、具体的な行動をとる手助けとなります。

ローカルビジネスの支援

目標8 働きがいも経済成長も: 地域の小規模なビジネスや職人の製品を購入することで、地域経済の活性化に貢献します。

SNSでの情報共有

目標17 パートナーシップで目標を達成しよう: SDGsに関する情報や自身の取り組みをSNSで共有することで、多くの人にその重要性を伝えることができます。

ボランティアやNPO活動への参加

目標1 貧困をなくそう: 社会的な課題に直接取り組む活動に参加することで、SDGsの達成に向けた具体的な貢献が期待されます。

未来をつくるための取り組み: 持続可能な未来のために

持続可能な未来とは、現在の世代だけでなく、未来の世代にとっても豊かで平和な生活が可能な社会のことを指します。そのための取り組みは、個人、地域、国際レベルで求められています。以下、未来をつくるための取り組みについて紹介します。

教育の普及と質の向上

持続可能な未来の基盤: 教育は持続可能な未来を築く鍵とされています。教育を受けることで、人々は持続可能性に関する知識や価値観を持つことができ、具体的な行動につなげることが期待されます。

再生可能エネルギーの導入

クリーンなエネルギーの普及: 石油や石炭などの化石燃料に代わる、再生可能エネルギー(太陽光、風力など)の導入や普及は、気候変動対策の一環として重要です。

循環型社会の構築

リサイクルの推進: 使い捨ての文化から、リサイクルや再利用を前提とした社会への移行は、資源の有効利用や廃棄物の削減に寄与します。

地域社会との連携

共生の実現: 地域社会と連携し、多様な価値観や文化を尊重しながら共生する社会を目指すことは、持続可能な未来を実現する上で不可欠です。

持続可能な農業

食の安全と安定: 化学肥料や農薬に頼らない、持続可能な農業方法の導入や普及は、食の安全や環境の保護に貢献します。

企業の社会的責任

サステナビリティの経営: 企業が利益追求だけでなく、社会や環境への責任を持つことは、持続可能な経済の実現に向けた大きなステップです。

バイオダイバーシティの保護

生態系の維持: 様々な生物種の保護や生態系の維持は、健全な環境を維持し、人々の生活を支える上で必要不可欠です。

テクノロジーの活用

イノベーションによる変革: 技術やイノベーションを活用し、持続可能な未来を実現するための新しい方法や手段を開発することは、未来を形作る鍵となります。

社会的な包摂

全ての人が参加: 性別、年齢、障がい、人種などの違いを超えて、全ての人が社会に参加できるような環境を作ることは、平和で持続可能な未来の実現に欠かせません。

国際協力

グローバルな連携: 持続可能な未来は国境を越えた課題も多いため、各国が協力し合い、共通の目標に向けて努力することが必要です。

まとめ

持続可能な未来を築くためには、個人、コミュニティ、企業、そして国際社会全体の取り組みが必要です。

  1. 教育: 知識と意識のベースとして、質の高い教育を受けることが、持続可能な未来を理解し、具体的な行動に移すための鍵となります。
  2. エネルギー: 再生可能エネルギーの導入と普及は、地球温暖化の防止とエネルギー資源の持続的な利用のために欠かせない取り組みです。
  3. リサイクルと循環型社会: 資源の無駄を減らし、地球の負担を軽減するためのアプローチとして必須です。
  4. 地域との連携: 地域社会との強い結びつきは、共生と相互理解の基盤を築く要素となります。
  5. 持続可能な農業: 食糧問題の解決と環境保護の双方を目指す方法として、持続可能な農業の推進が求められます。
  6. 企業の役割: 企業もまた、持続可能な経済活動を通じて、未来への貢献が期待されます。
  7. 生態系の保護: 持続可能な未来を支える自然環境を保護し、豊かな生態系を守る取り組みが不可欠です。
  8. テクノロジー: 新しい技術やイノベーションを通じて、持続可能性の課題に取り組むことが、未来の形成において重要な役割を果たします。
  9. 社会的包摂: あらゆる人が社会に参加し、平等に権利を享受することが、持続可能な社会の基盤となります。
  10. 国際的連携: 地球規模の課題に取り組むためには、国境を越えた協力と連携が不可欠です。

私たち一人一人の日常の選択から、国や地域の大きな取り組みまで、多岐にわたる活動が持続可能な未来の実現に必要です。
今、そのための行動を始めることで、より良い未来を築くことができると信じています。

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