Z世代に刺さらない広告の正体 | 福岡のWEB制作会社・ホームページ制作会社|株式会社TOE
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SNSが生活の中心になっている現代、広告は日常のあらゆる場面に入り込んでいます。特にZ世代は、生まれたときからインターネットやスマートフォンが身近にある「デジタルネイティブ」です。そのため広告に対するリテラシーも高く、少しでも違和感を覚えると「この広告は嫌だ」と敏感に反応します。
企業が「良かれ」と思って発信したプロモーションが、Z世代にとっては逆効果になることがあります。これがいわゆる“マイナスプロモーション”です。以下では、Z世代が特にネガティブに捉えやすい広告のタイプとその理由を、具体例とともにご紹介します。

① ステレオタイプを押しつける広告

たとえば「女性は○○が好き」「男子はこうあるべき」といった、性別や役割など固定観念を前提にした広告。こうした表現はSNSで「もう古い」と突っ込まれやすく、Z世代には逆効果になります。
Z世代は多様性やジェンダー平等に価値を置くため、「誰かを排除しているように見える表現」に強く反応します。広告が無意識のうちにステレオタイプを再生産すると、共感よりも不信感を呼んでしまうのです。

② 過度な「盛りすぎ」広告

「これを使えば誰でもモデルのようになれる!」「絶対に成功する!」といった誇張した表現は、一昔前なら夢を感じさせました。しかしZ世代は情報リテラシーが高く、現実とのギャップを敏感に見抜きます。
たとえば「塗った瞬間に毛穴ゼロ!」というコピーがあれば、SNSで「光の当て方でごまかしてるだけでは?」と突っ込まれるのは目に見えています。完璧さよりも“リアルさ”が求められているのです。

③ 上から目線のメッセージ

「これを持っていないと遅れている」「この商品でこそ一流になれる」など、指導するようなトーンは、Z世代から距離を置かれやすいです。
「まだ何者でもないあなたへ」といったコピーも、本人にとっては「勝手に決めつけられた」と感じられかねません。Z世代はフラットで対等な関係を好むため、広告も「一緒に楽しもう」「こんな選択肢もあるよ」といった共感ベースの姿勢が響きやすいのです。

④ 社会的テーマを“形だけ”利用する

サステナビリティやジェンダー平等など、社会的テーマを取り入れること自体は好意的に受け止められます。ただし、行動が伴っていないとすぐに「口だけ」と見抜かれてしまいます。
たとえば「環境にやさしいブランド」を掲げながら、実際には大量生産・大量廃棄を続けていれば、SNSで「イメージ戦略だけ」と批判されるのは時間の問題です。Z世代は情報収集力が高いため、言葉と実態が食い違う広告に特に敏感です。

⑤ インフルエンサーの乱用

インフルエンサー起用は一般的ですが、やりすぎると「PR感」が強く出て逆効果になります。特に複数のインフルエンサーが同じ文言を使って宣伝すると、不自然さが際立ちます。
ある食品メーカーは人気インフルエンサーに同じコピーで投稿させましたが、フォロワーから「コピペ感すごい」「お金の匂いしかしない」と批判が殺到しました。
逆に「PRです!」と最初に明言し、正直なレビューを添えた方がZ世代にはむしろ信頼されやすい傾向があります。

まとめ

  • Z世代が敏感に反応するマイナスプロモーションの共通点は、
    ・多様性を無視している
    ・実態と乖離している
    ・上から目線である
    ・行動とメッセージが一致していない
    ・本音が隠されている
    ・プライバシーを軽視している
    つまり“誠実さ”や“リアルさ”を欠いた広告は、どんなにお金をかけても響かない。逆に言えば、小さなリアルな声や企業の真摯な取り組みこそがZ世代に刺さるカギになる。
    広告をつくる側からすると難しさもあるけど、Z世代に向けては「派手さ」より「ちょっとした等身大の誠実さ」の方が大事。彼らは広告を“消費”するんじゃなくて、“共感できるかどうか”で受け止めるのだ。

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