SNS利用者100名調査から読み解くインフルエンサーの影響力 | 福岡のWEB制作会社・ホームページ制作会社|株式会社TOE Z研究ラボ - トエラボ
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企業のマーケティング戦略において、インフルエンサーの活用は今や欠かせない施策のひとつとなっている。とりわけ若年層はSNSネイティブ世代として注目され、「インフルエンサーの影響を受けやすい」と語られることも少なくない。しかし、その実態は本当にそうなのだろうか。投稿をそのまま受け入れているのか、それとも一定の距離を保ちながら見ているのか。本記事では、SNS利用者100名を対象としたアンケート調査をもとに、インフルエンサーのフォロー動機やイメージ、宣伝投稿への評価について整理し、現在のSNSユーザーの受け止め方を探った。

フォローしているインフルエンサーのジャンルは?

質問:あなたは現在、SNSでどのようなインフルエンサーをフォローしていますか。(複数回答)

まず、フォローしているインフルエンサーのジャンルについて見ると、料理・旅行・美容といった日常生活に取り入れやすい分野が中心となっていることが分かった。いずれも実用性が高く、すぐに試せる、生活に活かせるといった特徴を持つジャンルである。一方で、ゲームやファッション、エンタメなど趣味性の高い分野も幅広く支持されており、フォロー行動は単なる憧れだけではなく、日常との接点や関心の延長線上にあることがうかがえる。

フォローのきっかけはどこにあるのか?

質問:あなたがインフルエンサーをフォローしたきっかけは何ですか。(複数回答)

フォローのきっかけについては、友人の紹介やキャンペーンよりも、SNS内のおすすめ表示や検索機能を通じた接触が中心であった。つまり、インフルエンサーとの出会いは意図的に探すというよりも、日常的に利用しているプラットフォームの中で偶然目にし、関心を持ったことが入口になっているケースが多い。プラットフォームの構造そのものが、フォロー行動に大きく影響していることが見て取れる。

インフルエンサーをフォローする理由は?

質問:あなたがインフルエンサーをフォローしている理由はどのようなものですか。(5件法)

では、なぜフォローを続けているのか。回答を見ると、エンタメとして楽しめることや、実生活に役立つ情報・アイデアが得られることが主な理由となっていた。新商品やサービスの情報収集の場としても機能している一方で、人気だから、推しているからといった情緒的な理由は、全体としては補助的な位置づけにとどまっている。多くのユーザーにとって、インフルエンサーは熱狂的に支持する対象というよりも、日常の中で情報を得るひとつのチャンネルとして存在しているように見える。

インフルエンサーに対するイメージは?

質問:あなたはインフルエンサーに対してどのようなイメージを持っていますか。(5件法)

インフルエンサーに対するイメージも興味深い。身近で親しみやすく、トレンドや実体験に基づく情報を提供してくれる存在として、比較的肯定的に受け止められている。一方で、広告性や購買誘導に対する警戒感も一定程度存在しており、評価は一様ではない。全面的に信頼しているわけでも、全面的に疑っているわけでもなく、状況に応じて判断しているという姿勢がうかがえる。

投稿は行動を変えるのか?

質問:インフルエンサーの投稿はあなたにどのような影響を与えましたか。

投稿が行動に与える影響については、新しい商品やサービスを知るきっかけになった、知識が増えたといった回答が多く見られた。認知や興味喚起の段階では、確かに一定の影響力を持っているといえる。しかし、価値観や生き方を大きく変えるほどの影響については慎重な回答が多く、影響は限定的であることも分かった。

商品・サービスに対する考え方に与える影響は?

質問:インフルエンサーの投稿はあなたの商品やサービスに対する考え方に影響を与えましたか。

商品・サービスに対する考え方への影響についても同様である。インフルエンサーの投稿は新しいブランドとの接点を生み出し、関心を高める役割を果たしているものの、購入判断や信頼形成においては「どちらでもない」とする回答も多い。投稿を参考にしつつも、自ら情報を調べ、他者の口コミを確認しながら判断する姿勢が見られた。受け手は決して受動的ではなく、主体的に情報を取捨選択している。

宣伝投稿への評価は?

質問:インフルエンサーの投稿内容について、次のようなことを感じますか。

宣伝投稿に対する評価も一様ではない。宣伝であると分かった場合に興味や信頼が下がる傾向はあるものの、多くの項目で中立的な回答が目立った。これは、宣伝そのものを一律に否定しているわけではなく、内容の自然さやインフルエンサーとの相性、日頃の発信との一貫性などを踏まえて判断していることを示している。広告であっても、納得感があれば受け入れられる余地は十分にある。

宣伝投稿への評価は?

質問:インフルエンサーが紹介した商品について、あなたはどのように行動しましたか。

実際の購買行動においても、紹介された商品をきっかけに購入し、満足や一定の信頼を感じるケースはあるものの、無条件に購買へ直結しているわけではない。宣伝性を意識した上で購入を見送る場合もあり、全体として慎重な態度がうかがえる。ただし、購入に至らなかったとしても、認知や興味喚起の段階では大きな影響を与えている点は見逃せない。

調査概要

主な質問項目:インフルエンサーのフォロー状況、フォローのきっかけおよび理由、インフルエンサーに対するイメージ、宣伝投稿に対する評価、ならびに購買経験の有無 等
調査期間:2025年11月21日 ~ 2025年11月21日
調査対象:全国の 10 代、20 代、30 代、40 代、50 代、60 代以上の男女 100 人
調査方法:インターネットオンライン法による自記式アンケート調査
標本抽出方法:調査モニターに対し、性別、年齢、インフルエンサーをフォローしている人で均等割り付け
有効回答数:N=100

まとめ

  • 今回の調査から浮かび上がったのは、SNS利用者が想像以上に冷静で主体的な存在であるという点である。インフルエンサーは確かに新しい商品やサービスとの接点を生み出し、関心を喚起する役割を果たしている。しかし、それがそのまま購買や強い信頼へと直結するわけではない。受け手は投稿内容を受け取りながらも、自ら追加で情報を調べ、他者の意見を参照し、総合的に判断している。
    また、宣伝投稿であると認識された場合に一定の警戒が生じることも確認された。ただし、それは単純な拒否ではなく、発信内容の自然さや一貫性、インフルエンサーとの関係性を踏まえた上での評価である。日頃の発信と大きく乖離した紹介や、過度に誇張された表現には違和感が生じやすい一方で、本人の体験に基づいた率直な紹介であれば、宣伝であっても受け入れられる余地がある。
    このことから、これからのインフルエンサーマーケティングにおいて重要なのは、短期的な購買転換を狙う強い訴求よりも、文脈に沿った自然な情報提供であると考えられる。広告であることを隠すのではなく、透明性を保ちつつ、インフルエンサー自身の言葉や体験として語られる形を整えることが、結果として信頼につながる。
    インフルエンサーは購買を直接動かす装置ではなく、消費者の情報探索プロセスの入り口をつくる存在である。その役割を前提に、長期的な関係性を意識した設計を行うことが、今後受け入れられるマーケティングの方向性だと言えるだろう。

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