次世代消費者の2025年下半期トレンドを分析してみた | 福岡のWEB制作会社・ホームページ制作会社|株式会社TOE Z研究ラボ - トエラボ
Image

「Z世代が分からない」「次はα世代だと言われても、正直ピンとこない」。
多くの企業が、そうした戸惑いを抱えながら次世代マーケティングに向き合っているのではないでしょうか。
しかし、Z世代・α世代はすでに“未来の顧客”ではなく、今まさに市場を動かし始めている存在です。彼らの価値観や行動様式を正しく理解できるかどうかは、企業の中長期的な成長を左右する重要な分岐点になっています。
本記事では、digdig社がZ世代(13〜28歳)・α世代(0〜12歳)を中心とするInstagramフォロワー約37万人を対象に実施した「2025年下半期トレンド調査」をもとに、次世代消費者のインサイトを読み解き、企業が取るべきマーケティング戦略を考察します。

トレンド① SNSワードが映す“参加型カルチャー”


参照:Z世代・α世代が選んだ2025年下半期トレンド、圧倒的バズで注目度トップのアイドルとは?【digdig調べ】

Z世代・α世代のトレンドを語る上で欠かせないのが、SNS発の言葉やフォーマットです。バズった「今これ(中国ダンス)」「おいらが行くしかねぇな」「ナルトダンス」がトップ3となりました。
これらはいずれもTikTok発のダンス動画を起点に拡散しています。特に「今これ」は、真似しやすい振り付けによって参加型の流行として広がりました。また、「おいらが行くしかねぇな」は、マユリカ中谷さんの動画が元ネタとなり、SNS内だけでなく日常会話にも浸透しています。現在の流行語は、動画や文脈とセットで消費されるものへと変化しています。

■ 企業への示唆
企業が流行語を“使う側”に回るだけでは、若者の心には届きません。重要なのは、若者が参加できる余白を用意することです。
・真似しやすいブランドダンス
・UGCが生まれやすいフォーマット設計
・インフルエンサー自身の言葉による発信
こうした設計が、広告を「参加型体験」へと変えていきます。

トレンド②「人」から見えるロールモデルの変化


参照:Z世代・α世代が選んだ2025年下半期トレンド、圧倒的バズで注目度トップのアイドルとは?【digdig調べ】

「人」カテゴリで1位となったのは、長浜広奈です。続いてHANA、希空(NOA)がランクインしました。 上位にはアイドル、ダンスグループ、インフルエンサーとジャンルの異なる人物が並びますが、共通しているのは、ほぼすべてが女性であり、同性から強い支持を集めている存在であることです。
この結果は、Z世代・α世代のロールモデル観が、「手の届かない完成されたスター」から、自分と地続きで想像できる“同性の理想像”へと変化していることを示しています。彼女たちは単に人気があるから支持されているのではありません。ファッションや表現、SNSでの振る舞いを通じて、「こうなりたい」「こう生きたい」と思わせるライフスタイルごと憧れられる存在となっています。また、彼女たちは一方的に消費される偶像ではなく、日常や価値観をSNSで発信し、フォロワーと同じ目線でつながっています。完璧すぎないリアルさと、自分らしさを貫く姿勢こそが、Z世代・α世代の共感を集める要因となっています。

■ 企業への示唆
この傾向から、インフルエンサーマーケティングにおいても評価軸の転換が求められます。知名度やフォロワー数だけにとらわれず、同性から共感や憧れを集めているかどうかが、ブランドとの親和性を左右する重要なポイントとなります。
・ターゲット層と価値観が重なるロールモデル性を持っているか
・広告のメッセージをそのまま伝える存在ではなく、自分の言葉で解釈できるか
・一過性よりも、継続的な関係を築けるパートナーになり得るか
こうした視点でのコラボレーションこそが、Z世代・α世代との間に信頼と共感を生み出す近道となります。

トレンド③「モノ」は自己理解とカルチャー探索のツール


参照:Z世代・α世代が選んだ2025年下半期トレンド、圧倒的バズで注目度トップのアイドルとは?【digdig調べ】

「LoveType16」に代表される診断系コンテンツの人気は、Z世代・α世代の自己分析欲求の高さを象徴しています。 彼らは「自分とは何者か」を知ることに、強い関心を持っています。一方で、中華スープの「麻辣湯」、中東発祥の新しいタイプのお菓子の「ドバイチョコ」の流行が示すように、これまで馴染みのなかった海外文化への好奇心も非常に旺盛です。

■ 企業への示唆
「自分を知る体験」「知らない文化に触れる体験」をセットで提供することが重要です。
・診断/クイズ型コンテンツ
・文化背景をストーリーとして伝える商品設計
・結果に応じたパーソナライズ提案
こうした体験設計が、エンゲージメントを高めます。

トレンド④ アプリに見る“AIの日常化”


参照:Z世代・α世代が選んだ2025年下半期トレンド、圧倒的バズで注目度トップのアイドルとは?【digdig調べ】

アプリカテゴリで1位となったのはChatGPTです。加えて、MeituやBeReal.も上位・話題に挙がっており、Z世代・α世代のデジタル価値観を象徴しています。
ChatGPTの支持は、AIがすでに日常に溶け込み、考える・調べる・作ることを支える身近な存在として受け入れられていることを示します。一方、Meituは「なりたい自分」を表現するためのツールとして使われ、自己演出への関心の高さがうかがえます。対照的にBeReal.は、加工しないリアルな日常を共有するSNSとして支持されており、Z世代・α世代が盛る自己表現と、飾らないリアルを使い分けていることが分かります。

■ 企業への示唆
AIで創る自分と、加工しない日常の自分。そのどちらもが、彼らにとっては等しく「本当の自分」です。企業に求められるのは、こうした価値観を踏まえた体験設計です。
・AIを活用した対話型の顧客体験の提供
・生成AIを用いた共創型キャンペーンの展開
・演出された表現とリアルな日常の両方に寄り添うコミュニケーション設計
ユーザーと共に使う存在として設計できるかどうかが、今後のマーケティングの分かれ道となります。

まとめ

  • Z世代・α世代の最大の特徴は、変化のスピードです。
    今日の正解が、明日も通用するとは限りません。
    だからこそ企業に求められるのは、「一度理解したつもりにならないこと」、そして観察し、対話し、柔軟に変わり続ける姿勢です。
    次世代消費者を理解する旅に、終わりはありません。その過程そのものが、ブランドの未来を形作っていくのです。

New Column

MORE